福岡演劇の今トップへ 月インデックスへ 前ページへ 次ページへ


《2010.7月−2》

アフリカ大好きの人たちのお祭り
【ROOTS OF MUSIC 絆 (劇団AFRICA)】

企画・制作:劇団AFRICA
10日(土) 18:30〜20:15 嘉穂劇場 3000円


 福岡の、アフリカン・ミュージックやアフリカン・ダンスをやっている人たちで作った劇団の公演。
 ギニアからのゲスト「タンガ ムサ カマラ」を真ん中に据えて音楽をブラッシュアップ。その音楽で発表会レベルのダンスを引っ張って、全体としてはまぁ、ボリュームがあって楽しめる公演にはなっていた。

 西アフリカの平和な村で、刺激がほしくていろいろやらかすワルガッキーズ。それをなだめて丸めて、一団にして村に取り込んでしまい、みんなで楽しく音楽とダンス。

 全体を通すストーリーは、脚本が雑すぎるのと、セリフが通らず演技もダメで、何だかゴチャゴチャやっているという感じしかなくて、よくわからない。
 脚本がうまく書かれていて、ストーリーがうまく伝えられて、それに音楽とダンスがからめば、舞台はずっとよくなる。

 この公演を見るべきものにしているのが、ギニアからのゲスト・「タンガ ムサ カマラ」。30歳くらいの、はちきれんばかりの肢体のこの男性、圧倒的な迫力だ。
 歌も、10個近く並べたドラムも力強くて、アフリカはこうなんだろうなという雰囲気を作り上げていく。みごとなリズム感で全体を引っ張りるかと思えば、哀調を帯びた歌を大音声で聴かせる。
 この人に引っ張られてか元々実力があるのか、音楽は快調で、安定していて安心して聴けて楽しめる。

 ダンスがつまらないのは、しかたがないのかもしれない。
 アフリカ人と日本人とでは、身体構造も身体能力も違うんだし、それをテクニックでカバーしようとしてもなかなかそうもいかないだろうから、いかにも日本人のダンスになってもやむをえないのかもしれない。
 それにしてもダンサーが軟弱に見えた。アフリカ人の身体性まで身につけなくとも、ダンサーとしての基本的な身体能力と、基本的な存在感はほしい。

 舞台中央に大きな木。その前の楽器が並ぶ。
 演奏者は舞台にほぼ出ずっぱりで、舞台には常時多くの出演者(村人たち)が並ぶ。嘉穂劇場の広い舞台を、それなりに使いこなしていた。

 この舞台は嘉穂劇場では、きょう昼と夜の2ステージ。夜の回を観た。少し空席があった。


福岡演劇の今トップへ 月インデックスへ 前ページへ 次ページへ