「鳥の劇場」が劇団のレパートリーを、中国と韓国からの俳優を迎えて、BeSeTo演劇祭用に改編したという舞台。
子ども向けだがきっちりと大きく作られていた舞台に参加した、中国と韓国からの俳優が魅力的で、舞台に香気が立ち込めていた。
元々の演出上の工夫はいっぱいある。それには、巡演等での少人数での上演に対応した演出も含まれる。
そのいちばんは、7人の小人を1人の俳優が演じること。からだ中に小人のお面をつけて、声色で演じわける。
白雪姫の実母と継母を、同じ女優が演じ分ける。
舞台装置は、簡素だがセンスいい。
演出そのものは、やや様式的で硬質。骨太で力強い。演技は大きくキッチリ決めていて、非常にわかりやすい。
そんなところが、元々のこの舞台の基本的な完成度の高さをうかがわせる。
そのような基本的なところに、中国と韓国から2人の俳優が加わった。
白雪姫役のウー・シャオダン(呉暁丹・中国)と、王子様役のホン・ウジン(韓国)。ふたりともすっきりしているが、華がある。
ウー・シャオダンは、丸顔の童顔でとてもかわいくて、まさに白雪姫ははまり役。舞台に現れただけでパッと華やかになる。
ホン・ウジンは、韓流スターのようなかっこよさで、すっきりとした立ち姿はいかにも舞台俳優だ。
俳優ではあと、実母と継母を演じた鳥の劇場の中川玲奈が、激しい喜怒哀楽を強く大きく形態的に形式的に表現していて見せた。
原作では「王子と白雪姫の結婚の披露宴で、継母の王妃は真っ赤に焼けた鉄の靴を履かされ、死ぬまで踊らされた」となっている。
もちろんそこまではやらないが、でも、そこまでの中川玲奈の演技、見てみたい気がする。
この舞台は、鳥取ではきのうときょうで2ステージ。ほぼ満席だった。