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《2010.9月−15》

ワンパターンでも、新喜劇はおもろい
【吉本新喜劇「かりぐらしのありえない」 (吉本興業)】

吉本新喜劇・作・演出:三栗雅子
23日(木) 9:45〜12:20 なんばグランド花月 3000円(シニア割引)


 やっぱ、なんばグランド花月は楽しい。新喜劇はいかにもアドリブだらけに見えるが、ちゃんと練り上げられているなぁ、といつもどおり確認。
 9月20日〜26日までの通常興行。祝日のために初回は朝9時45分開始。その朝いちばんの公演を観た。


○漫才 フルーツポンチ 10分
 バンドをやめる先輩を止めようとする後輩。漫才というよりコント。ボケがなかなかで、おもしろい。

○コント FUJIWARA 10分
 ヒーローショーのヒーローが全然ヒーローになっていなくて、そのユーモラスな姿とドジぶりで笑わせる。

○漫才 ティーアップ 10分
 新婚がテーマのしゃべくり漫才をじっくりと聴かせるが、切れはイマイチ。

△9月の特別イベント 最高齢者の確認 84歳だった。最高齢者は、劇場ロビーに写真が掲示され、年間フリーパスがもらえる。

○花月名人会 20分
 西川きよし司会の、生バンドによるのど自慢。いくよくるよのあとが、エチケットブーツを履いた93歳の男性による「女のためいき」。そのあとUFO頭の末成由美。63歳というのにはちょっとビックリ。
 飛び入りの女子中学生の歌いたい歌は、楽譜がなくてバンドが演奏できずにアカペラで。ラストは客席もいっしょに「リンゴの唄」。

○落語 笑福亭仁鶴 15分
 大阪のおばさんについての話で、落語というよりも漫談。キッチリと笑いのつぼを押さえた話術で聴かせるが、この人の頭のよさがちょっと先走りしていて、バカにされたような気分になるところもある。

○漫才 阪神・巨人 20分
 子どもの話。話の内容もさることながら、息がぴったりのふたりの話術がおもしろさに拍車をかける。ただ、ちょっと老けたな。

○吉本新喜劇「かりぐらしのありえない」(作・演出:三栗雅子) 50分
 仲が悪い、うどん屋の嫁と姑。嫁が家出中に、姑が店主である息子の友だちに、嫁の部屋を貸すことにしてしまったから大変。
 いつもテレビでだからあたりまえだが、生のほうが圧倒的におもしろい。特に、計算しつくされたギャグのおもしろさは生ならでは。バシッとギャグが決まったあとにサッと本筋に戻すのもなかなか。
 出演者は頻繁に出入りしてそれぞれに見せ場を作りながら、全体の流れにうまく絡ませたり絡ませなかったり。ただ、ベテランと若手では存在感の違いは大きい。浅香あき恵など、いかにもという存在感がある。
 小籔千豊をスピリチュアル・コンサルタントとか極端な役で使うというのも、このごろよくあるパターンだが、それはそれでおもしろい。
 いずれにしろ、きちんと大真面目に作られているということは、ビシビシ伝わってくる。


 満席だった。


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