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《2012.4月−6》

クラウン芸をたっぷりと
【「出口あり」+α? (群馬サーカス学校)】

作・演出:ふくろこうじ ほか
15日(日) 17:10〜18:30 秘密基地732劇場 1,000円


 クラウン(道化)芸だけで見せるパフォーマンスで、派手ではないがじっくりと楽しませてくれた。

 「『出口あり』+α?」は、きのうときょう開催されている「志免大道芸フェスティバル2012」のなかで唯一の有料公演(他の公演は投げ銭)。
 「志免大道芸フェスティバル2012」は、志免町の大正町商店街・銀座通りのそれほど広くない地域の10の会場で、きょうだけで50を超える公演が打たれていたから、2日間を合わせると100以上の公演数ということになるのだろう。
 天気もよくてにぎわっている。野外での公演を見歩くのは楽しいが、時間がなくて数公演しか観られなかった。Mr.BUNBUNのりんごジャグリングを生で観たかったが、かなわなかった。

 「『出口あり』+α?」は、群馬サーカス学校のあるところが放射能除染地区に指定されたためにそこを逃れて、3月末から70日間4人でワゴン車1台で全国をまわるというツアーの演しものだ。
 「『出口あり』+α?」は、ふくろこうじ「出口あり」と、高村篤のジャグリング・田中健太のシガーボックス。

○高村篤のジャグリング
 4種類のものを投げ上げるトスジャグリング。スーツ姿でかっこいいが、ジャグリングは普通。10分。

○田中健太のシガーボックス
 シガーボックスは、最大12個まで挟み込むが、失敗が多くてテンポズタズタで乗れない。積み重ねたシガーボックスの上で逆立ちをし、さらに片手だけで水平な身体を支えるパフォーマンスが楽しめた。10分。

○ふくろこうじ「出口あり」
 身体性の高いサーカス芸やマジックを使わず、マイムなどのクラウン芸だけで1時間を見せる。
 はじめは、350mlのアルミ缶つぶし。そのあと、ペットボトルを全部の指に着けての形態模写で、蛙の形などこれはおもしろい。そのあとの看板に繋いだ紐を使った形態模写もいい。1.8lのペットボトルの焼酎を飲み干すパフォーマンスで、酔った感じなどこれはやや演劇的。
 太ももから下の足を使っての3本足のパフォーマンスは、ややトリック的な感じもして楽しめた。ダンボール箱を使って落ち込むようないかにもクラウン芸というドジパフォーマンスもおもしろい。
 瞬発芸が多いクラウン芸を繋いで1時間を演じきるのはたいへんだろう。ひとりでやるパフォーマンスなので派手さはないが、クスリとするようなものが多くて、まぁ楽しんだ。

 この舞台はきょう1ステージ。少し空席があった。


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