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= 感 想 =【2012年4月】



[ 今 月 の 概 況 ]


 「ピーター・ブルックの魔笛」、「第16回ふくおか市民能」での武田孝史師の仕舞、「シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ」と、非常に印象深い舞台をいくつか観られた。
 サンプル、ままごと、岡崎藝術座というアゴラ系の劇団をまとめて観られたのも、その特徴がよくわかったよかった。感想を書き終わってから思ったことだが、サンプル、ハイバイなどが描くひきこもりは、本人たちが経験した1990年代のひきこもりで、ひきこもるかどうかも含めて現在の状況からは乖離しているのではないかと思った。「自慢の息子」が岸田戯曲賞を取ったこと自体が、現在の状況から演劇界が乖離していることの証拠ではないかとまで思った。
 地元劇団ではブルーエゴナク「鬼の生活」が、コンテンツの豊富さがテクニックの壁を突き破って押しかけてくるという舞台だで、楽しめた。
 野村政之氏によるレクチャー「ユーザーのための現代口語演劇史」が、わだかまっていた日ごろの疑問に答えてくれて、ほんとにいいレクチャーだった。

 


[ 作 品 別 の 感 想 ]

  1. ピーター・ブルックの魔笛 (ピーター・ブルック)   ブルック版「魔笛」を堪能
  2. ユーザーのための現代口語演劇史 (枝光本町商店街アイアンシアター)   ものすごく内容の濃いレクチャー
  3. 鬼の生活 (ブルーエゴナク)   幅の広さと元気のよさと
  4. 自慢の息子 (サンプル)   おもしろくて楽しめるんだけれど
  5. シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ (音楽座)   嗚咽こらえるのがたいへん
  6. 「出口あり」+α? (群馬サーカス学校)   クラウン芸をたっぷりと
  7. あゆみ (ままごと)   内面世界の広さ深さを感じさせる
  8. 三遊亭歌之助独演会 (九州朝日放送)   漫談調落語と古典落語では顔つきまで変わる
  9. 32年生の8時間目 (空晴)   それなりにおもしろいんだけど、はぐらかされたような感じが
  10. アンティゴネ/寝盗られ宗助 (岡崎藝術座)   ラフさチグハグさにも魅力が
  11. No Enemy, No Life? (village80%)   貧相な自己満足の舞台
  12. 第16回ふくおか市民能 (福岡市能楽協議会)   武田孝史師の仕舞のすごさにビックリ


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