下ネタてんこ盛りのパフォーマンスを涙が出るほど楽しく笑い転げているうちに、心は開放されストレスは吹っ飛んで、優しく癒された。
たくさんの出演者のよるパワーあふれる舞台に加え、観客を楽しませる仕掛けがいくつも用意されていて、それも大いに楽しんだ。
オープニングからフィナーレまで、40人ほどの出演者による20ほどの演目で、上演時間3時間。手加減なしで、ボリュームたっぷりだ。
オープニングは厳かに始まった。舞台奥の大階段に並んだ観客100人による天使たち。その前方で出演者全員がラメ入りの白いタキシードで踊る。それにかぶせて大久保ノブオが陸前高田市を訪ねたときのことを語る。被災された方の厳しさが切々と伝わってくる。
終わって観客100人が席に戻るまで若干のつなぎがあって、大いに笑う本来の演目が始まる。
まず、「ハダカ影絵」で度肝を抜かれる。舞台前面に張られた薄いスクリーンに、後方で全裸で演技する10数人の男性のパフォーマンスの影絵が映し出される。おちんちんブラブラで走りまわる。ホモセックスやムカデ人間などなどどぎついが、影絵だしどんどん転換していくのでいやらしい感じはない。ラストにチラッと男たちのハダカを生で見せるサービス演出もある。
つかみが終われば、人気者の登場。久本雅美、柴田理恵、梅垣義明の、1人あるいは2人で出し物が少し続く。佐藤正宏は一歩引いた形だが、1人あるいは2人で1つの出し物をやるのはこの4人だけだ。
佐藤・柴田の「しゃべるマイム」とか「動かないバレエ」も、梅垣のショーも久本の漫談調のパフォーマンスもおもしろい。柴田はあとで一人芝居「シェイクスピア版宮本武蔵」をやるし、柴田・久本の「ヘビメタ漫才」も楽しい。梅垣は、全体公演で初めてやるという鼻に豆を詰めて鼻息で飛ばす「ろくでなし」のほか、紙おむつをはいて歌いながらおしっこするというパフォーマンスを。おしっこを確認したら観客全員がスタンディングオベーションをすることを約束させられていて、会場全体が立ち上がり「ブラボー」と叫ぶ。
そんなふうに、中心メンバーの味と勢いのある個人芸が楽しめる。
多人数のパフォーマンスも楽しい。
10人の獅子舞がマイケル・ジャクソンを踊る「獅子舞マイケル」はメチャ楽しい。岡田勝が扮する「座頭市」が舞台いっぱいを使って見せる。岡田勝は、客出しのとき仮面ライダー姿で客を見送る。ゾンビが歩き回る「ゾンビ」はメリハリがなくてイマイチかな。
休憩前に27人による全身タイツショー。ここで観客全員に人気投票をさせて上位は商品化の参考にし、下位は客出しダンスの担当となる。
観客に参加を促していっしょに楽しもうという仕掛けが多く準備されている。
前述のオープニングやスタンディングオベーションや全身タイツショーの投票が客出しダンスなど、観客はいやでも参加させられる。
そして極めつけは「ブラジャーポニョポニョ」。観客全員にブラジャーが配られていて、全員がそれをかぶってブラジャーを揉む動作をする。梅垣の歌のラストで観客全員が白い風船を飛ばす。
開演前に「不幸な出来事を教えてください」というアンケートが配られていて、選ばれた人のところに天使たちがやってきて励ますという客いじりでは、隣の席の人が選ばれてそのスポットライトがまぶしかった。
WAHAHA本舗は立ち上げ当初のメンバー4人のころによく観た。全体公演はもっぱら映像で見ていて一度観たいと思っていたが、広い会場の公演には行く気がしなかった。ことしの公演は小さな会場になったので観に行った。いい席だったこともあって、WAHAHA本舗の楽しさを満喫した。
この舞台はきょうからあさってまで3ステージ。少し空席があった。