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《2012.10月−6》

充実のパフォーマンスが1,000円
【手をつなぎながら (HKT48)】

総合プロデューサー:秋元康
9日(火)18:30〜20:40 HKT48劇場 1,000円


 ほとんど予備知識もないままに行って、ほんとにビックリしてしまった。りっぱな劇場での質の高いボリュームたっぷりのショーを、どうして1,000円で提供できるのか、不思議でしょうがない。

 入場するまでがけっこう大変だった。
 チケットは、3日前に抽選申込みをして、2日前に抽選結果が連絡されてくる。6日の日に9日分のチケットの抽選にネットで申し込んだ。ダメだったら翌日分を申し込もうと思っていたが、ラッキーなことに7日に当選のメールが来た。当選番号と、注意事項がたくさん書かれている。
 きょう9日は午後5時40分ごろ劇場に着いた。チケット販売時間は16:30〜18:00なので売り場は混雑している。2列のうち並んだ列の対応がトロくて、チケットゲットまでに15分もかかった。当選番号を告げ、運転免許証で本人確認をして、入場料1,000円を払って、不正防止のため右手首にリストバンドを巻かれた。一般枠なので席は自由席で、チケットの整理番号は181番台だった。

 チケットを入手したらそばの売り場でロッカー用のメダルを200円で購入。劇場へは荷物持ち込み禁止なので、小さなバッグだがロッカーに入れた。
 ロビーの床に、「遠方枠」、「ファミリー・カップル枠」、「女性・小中学生枠」、「一般枠+HKT48 Mobile会員枠」ごとに10番ごとに番号が振ってあって、そこに並んだ。前の3つの枠は指定席で、自由席である「一般枠+HKT48 Mobile会員枠」の入場順は10番ごとにまとめ抽選によって決まる。101番台から251番台まであったようだから16組だが、抽選が全然当たらず、181番台の入場は15番目だった。午後6時15分から入場開始で、入場できたのは6時半近かった。入場は、係員1人が左手に持ったチケットを読み取り機で読み取り、もう1人の係員が右手首のリストバンドをチェックするという念の入れようだ。
 入場してみたら座席は全部埋まっている。立見席になってしまった。立見席は後方のスタッフのスペースの両側で、30人ほどが立見だった。客席全体を見渡すと観客は9割がた男性で、若い人が多いが中年も混じる。上演中に立たないこと、応援グッズは肩より高く上げないことなどの注意があって、観客のマナーは非常によかった。

 午後6時30分、定時に開幕した。
 上演されるHKT48 チームH 1st Stage「手をつなぎながら」は、名古屋のSKE48チームSの2nd Stageとして作られた「手をつなぎながら」を採用して昨年11月から上演していて、この9月末で230ステージに達した。途中若干のメンバー変更はあったようだが、HKT48の初めてのレパートリーとして練り上げてきた舞台で、とても安定している。
 曲は、アンコール4曲を除いて13曲。オープニングからの16人全員での4曲が終わると、全員がひとりひとり同じ質問に答える形の自己紹介を兼ねたトークが約20分。そのあと3、4人のユニットが入れ替わり5曲をやって、若手3人のトークがあって後半に入る。そこまで1時間10分。後半は全員で3曲のあと8人でのトークがあってラストの1曲。真っ暗になった客席からファンの呼びかけに応じたチームHコールが起こり、それに応えて全員が勢いよく登場してまずアンコール2曲。そのあとスクリーンが下りて2分半映像の上映。そしてさらにアンコール2曲で終演。上演時間は休憩なしで2時間10分に及ぶ見応えのあるショーだ。

 16人の生き生きとした歌とダンスに、オープニングから持っていかれる。全員での曲は舞台全体にパワーが溢れ、ユニットによる曲はどちらかというとじっくりと聴かせる。全員での曲では「マンゴーNo.2」が、ユニットによる曲では「雨のピアニスト」がわたしには特によかった。メンバーは15歳前後が多いのに、トークの話しぶりもほんとにしっかりとしている。AKB48から左遷で話題の指原莉乃が、すでにチームHを取り仕切っていた。
 そんなメンバーのパフォーマンスを引き立たせるテクニカル、特に照明ががすごい。ものすごい数の電動のランプが、曲に合わせてすごいスピードで動き切り替わって、歌とダンスにみごとにシンクロする。舞台から大きな張り出し舞台が客席に張り出していて、その先端の丸い部分がせり上がる。専用劇場ならではの舞台機構の力も大きい。
 終演後はメンバー全員がロビーに並んで、全員がすべての観客ひとりひとりとハイタッチをする。サービス精神が半端じゃない。

 そんなふうでとにかく、HKT48を堪能した。ここで育ったメンバーが福岡でいろんな分野に進出して活躍してくれれば、福岡のパフォーミングアーツの質も大きく向上するだろう。


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