見応えのある大きな演目をファッショナブルにハイテンポに繰り出していく木下サーカスの公演をたっぷりと楽しんだ。
会場は九大六本松キャンパス跡地に建てられた大きな赤いテントで、入る前からワクワクする。入ってみると内部の広さに驚く。
開幕前から男女のクラウンがいろいろやっているが、時間が来たら引っ込み、いったん真っ暗になって開幕する。
●オープニング・ショー
天井から降りてきた6本の布の間での、男女ペアのアクロバティック・バランスと、男女ペアが布に掴まっての空中遊泳が美しい。
●吊りロープショー
天井から吊るされた2本の綱を使っての女性によるパフォーマンスで、綱に繋がれた紐をくわえてグルグル廻るのにビックリ。
●七丁椅子
高い台の上に逆立ちしながら椅子を積んでいく。スリルだけど、落下防止の紐をつけているので興味が減殺される。
●空中リングショー
天井から吊るされた棒の両端から垂らされた紐に繋がれた直径1.5mほどのリングでやる女性ペアのパフォーマンスで、きれいだ。
●アメイジングサファリスペクタクル
まず、調教が非常にむずかしいといわれるシマウマ4頭が、並んで丸く歩いたり他の馬の背中に鼻面を押しつけてポーズを取ったりする。
次に、キリンが登場。観客の手から餌を食べる。その大きさに驚く。
●跳び箱ショー
5人の囚人と1人の警官で、跳び箱を使って脱走した囚人を警官が追いかけるパフォーマンスを行う。
●スーパー・イリュージョン
美女を小さな箱に入れて穴に9本の棒を差し込む。細長い箱に美女を入れて20センチごとくらいに仕切りを入れる。いずれも鮮やかに美女が出てくる。
さらに、箱の中に入った男性と箱の上に立った女性が一瞬で入れ替わる。すごい。
●ホイール・オブ・デス
2つのホイールを繋ぎ合わせた巨大な装置を回転させて、ホイールの中や外を歩く。ダイナミックだ。
―以上、第1部―
(休憩15分)
―以下、第2部―
●猛獣ショー
8頭のライオンによるショーで、並んだ上を飛び越えたり輪くぐりをしたりちんちんをしたりホイール乗りをしたり。オス3頭、メス5頭で、大きなライオンは迫力だ。
●オートバイショー
丸いバイクホールの中を最大3台がいっしょに廻る。中に人が立っているのが気になってしかたがない。
●ジャグリング
最大6本のクラブ、最大9つのリング、最大5つのボール、最大5つ帽子でジャグリング。本数を減らしたクラブのジャグリングのものすごいスピードにビックリする。
●エレファントショー
2頭のインド象が、小さな台の上で後ろ足だけで立ったり、前足だけ(逆立ち状態)で立ったり。けっこう長い2足歩行もした。
●ダブル空中ブランコショー
中央の受け手が2人なのでダブルだが、次から次へと繰り出す技を堪能した。ピエロ役を置いてユーモラスなところも作っていた。
それぞれの演目は多彩になるように工夫されている。その上にこれらの演目の間にいくつもの短い演目が挿入され、ステージ準備や整理の間はクラウンが繋ぐので、観客には待ちの時間をまったく作らない。特に第1部は演目がめまぐるしく変わり息つく暇もないほどだ。
クラウンはとても芸達者で出現場所も変幻自在で、パントマイムでのコントや客いじりやジャグリングや輪投げなどで実に自然に場を繋ぐ。照明や音響のよさがそれぞれの演目のみならずクラウンの芸までも助けている。
クラウンもそうだが、出演者には外国人が多い。アナウンスは日本語よりも外国語のほうが多いが、これは異空間に来たという演出のためだろう。
木下大サーカス福岡公演は今月13日から来年2月9日まで。観たのは祝日の3回興行の3回目で、かなり空席があった。